カルビーのポテチの製品の包装がナフサの不足で黒色になるってニュースで聞いたのだけど、
包装のインク(塗料)も今話題のあのナフサってやつなのかな?って気になったので調べてみることにしました。
- ナフサは不足気味なのは本当だけど、入手困難になった中東産以外の国から輸入が始まっている
- 国内石油の備蓄は8か月程度あるけど、ナフサは20日程度なのでのんびり対策を練ってる時間がない
- ナフサはガソリンや灯油などと一緒に精製されるもので、ナフサだけピンポイントでゲットできるわけではない
ナフサ不足ってお菓子パッケージみたいなところにも影響あるんか~ってことで、
ナフサが不足してるって本当なのか、影響はいつからいつまでなのか、ナフサからできるもの(関連商品)はどんなものがあるのか、などについて見ていきたいと思います。
ナフサが不足してるって本当?
ニュースでよく言われているナフサ不足。
第一の原因は、中東のホルムズ海峡の通過が難しいことです。
ナフサの輸入問題
日本はナフサの約7〜8割を中東から輸入していて、日本国内の製油所で原油から生産されるものは残りの約3〜4割です。
ホルムズ海峡渡れずの今の状況では中東輸入だけでは不足してしまいます。
ナフサの備蓄の問題
日本には約240日分(約8か月分)の石油備蓄があるのですが、石油備蓄法が対象としているのはガソリンや灯油などの「燃料」なのだそうです。
化学原料であるナフサは国家備蓄の対象外なので、国内の在庫は20日分程度しかなくて、石油よりも余力がない状態です。
中東以外からのナフサの輸入
現在(2026年5月時点)、中東以外からのナフサの輸入量を従来の約2倍量へ引き上げる計画が進められています。
今、最優先で輸入を増やしている国は、
① アメリカ(最大の代替先)
ナフサの輸出余力が世界で最も大きい国のひとつ。
② インド
アジア地域における強力な代替先。
③ オーストラリア
日本のエネルギー外交において長年の最重要パートナー。
④ アルジェリア(北アフリカ)
新しくルートを開拓している国。
今後、さらに候補となっている国は、
①東南アジア
マレーシア、シンガポール、タイなど
距離が近く、輸送コストが抑えられる。
②欧州
イギリス、ノルウェー、オランダなど
③北米
カナダ
中東からのナフサは不足気味だけど、他の国から輸入を始めているのでひとまず安心。
だけど、輸送費の高騰や原油の成分の違いで、これまでのような安定供給はしばらく戻りにくいかも。
ナフサの不足の影響はいつからいつまで?
日本の石油(原油)やナフサの輸入状況は、「完全に途絶えているわけではないのだけど、調達ルートの変更や価格の高騰を伴った、むつかしい状況」が続いています。
取引先を変えると石油成分が違うので、国内での精製問題があります。
ナフサだけ単独で精製できるわけではない、というのもありますし。
以下に詳しくみていきますね。
調達先の多角化よる問題
現在は、中東だけに頼るのをやめて、アメリカや東南アジア、アフリカなどなどからの代替調達を進めています。
ただ、価格が上昇するという問題があります。
中東からの輸送ルート(約3週間)に比べて、アフリカや南米から運ぶ場合、距離が伸びて輸送コストやタンカーの手配数が大幅に増えてしまうのです。
日本以外でも必要とする国が多いので、その点でも高価になる傾向が。
製油所の「設備」の問題
日本の製油所の多くは、中東産の「硫黄分が多い原油」を効率よく処理できるように最適化されて作られています。
例えば、アメリカ産の「軽質原油(硫黄分が少なくサラサラした原油)」を大量に処理しようとすると、中東タイプの石油対応だった工場の設備の改修が必要になるなど、石油であればなんでもいいという問題でもなさそうです。
中東産の原油ばかりを輸入している理由の一つに、原油の成分が大きく関係しているのかもしれないですね。
国内で原油から作れるナフサの量は一定
じゃあ、今ある原油を国内の製油所で精製して、ナフサをたくさん作ればいいのではないの?と思いますが、ここにも限界があります。
原油を蒸留(加熱)すると、一定の割合でガソリン、灯油、重油、そしてナフサなどが同時に、決まった割合でできるようになります。
なので、ナフサだけが欲しいからといって、ナフサだけを100%抽出することはできないのです。
国内生産だけではナフサ全体の約4割しかまかなえない状態になっています。
もし、国内でナフサを増産するために国内の製油所をフル稼働させると、今度は使い切れないほどのガソリンや灯油が同時にできてしまって、工場のタンクが足りなくなる状態に。
うーん、ナフサって結構難しいポジションにいるんですね。
ちゃんと中東以外からもナフサや原油の輸入を始めているので、いちおう供給が途絶えることはなさそう。
だけど、輸入先の多様化で輸送コストが上がったり、成分が合わなかったり、ナフサだけ国内で大量精製ってわけにもいかないので、ナフサの不足の影響はいつからいつまでってはっきりといえなさそうですね。
ナフサからできるものは何?
ナフサから作られる製品は、身近な生活用品から大型インフラまでいろいろあります。
ナフサ不足の影響を受ける商品はこちら。
日用品・プラスチック製品(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)
・包装・容器
レジ袋、ゴミ袋、食品用ラップ、ペットボトルのラベル、シャンプーや洗剤のボトル、お弁当のパック
・衛生用品
紙おむつ(吸水ポリマー部分)、マスク(不織布)、医療用注射器のシリンジ
・家具・雑貨
プラスチック製の収納ケース、バケツ、文房具(クリアファイルやボールペンの軸)
衣料品・繊維(ポリエステル、ナイロンなど)
・衣服
フリース、スポーツウェア、形態安定のワイシャツ、ストッキング
・その他
カーテン、じゅうたん、カバンのナイロン生地、車のシートベルト
住宅設備・建築資材(塩化ビニル、ポリウレタンなど)
・水回り・配管
水道管(塩化ビニル管)、ユニットバス(浴槽)、温水洗浄便座のプラスチック部品
・内装・断熱
壁紙(ビニールクロス)、住宅の断熱材(ウレタンフォーム)、床のクッションフロア
・塗料・接着剤
家の壁に塗るペンキ、木材を貼り合わせる接着剤
自動車・家電製品
・自動車部品
フロントバンパー、ダッシュボード(内装樹脂)、タイヤ(合成ゴム)
・家電製品
テレビやパソコンのプラスチック外装、エアコンの内部パーツ、スマートフォンの液晶保護フィルム
ナフサが不足してるって本当? まとめ
この記事では、ナフサが不足してるって本当なのか、影響はいつからいつまでなのか、ナフサからできるもの(関連商品)はどんなものがあるのか、などについてご紹介しました。
- ナフサは不足気味だが中東以外の国からの輸入が始まっている
- 国内石油の備蓄は8か月程度あるが、ナフサは20日程度
- ナフサはガソリンや灯油などと一緒に精製される
- 国内でナフサを精製すると、必要以上の大量のガソリンや灯油が精製されてしまう
- 国によって原油の成分が変わる
- 国内の精製工場は中東タイプの石油対応なので、他国産にすぐに対応できない
- 他国産原油は、遠い場所だと輸送コストがかかり高価になる
- ナフサ不足の影響はいつからいつまでとはっきり言えず、輸入や精製で国内のナフサの供給は続くといえども、安定させるのはまだ時間がかかりそう
お菓子のポテチのパッケージの色の変更ニュースからナフサのことが気になって勉強しましたが、ナフサは日々の生活に密接にかかわっているんですね。
問題なければ、もうちょいナフサを国内備蓄してもいいかもです。
もしかしたら石油備蓄法っていうのは、まだ国内にナフサ製品が多くなかった頃のものなのかも(1975年制定)。
時代はどんどん過ぎるので、フォローするところがいっぱいなのです。
